エリート御曹司は獣でした
それをくれたのは、同じ課のふたつ上の男性社員、鈴木さんだ。
彼は、久瀬さんと飲めるのが余程嬉しかったと見え、今日は到着するなり、「久瀬さんの隣は俺ね!」と主張して、しっかりその席をキープしている。
私は笑い話のつもりでタオルハンカチの話をしたのだが、久瀬さんはなぜか声を低くして、「誰からもらったんだ?」と聞いてきた。
「鈴木さんですけど……?」
なにか引っかかる点があっただろうか。
不機嫌そうにも聞こえた問いかけを不思議に思い、隣を見れば、久瀬さんは斜め後ろに振り向いて鈴木さんを見ていた。
すぐに私に視線を戻した彼は、真面目な顔で言う。
「俺も相田さんにお礼をしたい」
「えっ!? そんなに気を使わないでください。みんなを招いてワイワイやるのが、私の楽しみでもあるのでーー」
「俺が、渡したいんだ。タオルハンカチより、もっと君の心に響くものを」
挑戦的な言い方をした彼に、私は目を瞬かせ、その直後に顔を火照らせた。
それって、嫉妬……じゃないですよね。うん、それだけは有り得ない。
彼は社内一のイケメンで、エリート御曹司。なにが悲しくて、私のような女にやきもちを焼かなければならないのだ。
うっかり自分の都合のいい方へ、久瀬さんの気持ちを読もうとしてしまい、焦る私は心の中で、全力で否定していた。
彼は、久瀬さんと飲めるのが余程嬉しかったと見え、今日は到着するなり、「久瀬さんの隣は俺ね!」と主張して、しっかりその席をキープしている。
私は笑い話のつもりでタオルハンカチの話をしたのだが、久瀬さんはなぜか声を低くして、「誰からもらったんだ?」と聞いてきた。
「鈴木さんですけど……?」
なにか引っかかる点があっただろうか。
不機嫌そうにも聞こえた問いかけを不思議に思い、隣を見れば、久瀬さんは斜め後ろに振り向いて鈴木さんを見ていた。
すぐに私に視線を戻した彼は、真面目な顔で言う。
「俺も相田さんにお礼をしたい」
「えっ!? そんなに気を使わないでください。みんなを招いてワイワイやるのが、私の楽しみでもあるのでーー」
「俺が、渡したいんだ。タオルハンカチより、もっと君の心に響くものを」
挑戦的な言い方をした彼に、私は目を瞬かせ、その直後に顔を火照らせた。
それって、嫉妬……じゃないですよね。うん、それだけは有り得ない。
彼は社内一のイケメンで、エリート御曹司。なにが悲しくて、私のような女にやきもちを焼かなければならないのだ。
うっかり自分の都合のいい方へ、久瀬さんの気持ちを読もうとしてしまい、焦る私は心の中で、全力で否定していた。