エリート御曹司は獣でした
今度は溺愛体質に!?
◇◇◇
大会議室で乗友さんたちと一悶着があった翌日。
今朝はオーブンの調子が悪く、お弁当用のスペアリブを焼くのに時間がかかってしまった。
そのため久しぶりに遅刻しそうになり、始業四分前に事業部に駆け込んだ私は、久瀬さんの席周囲に二十人ほどの人だかりを見た。
なんだろう……嫌な予感がする。
その予感とは、私と彼が恋人関係にあるという噂が広まってしまったのではないかということだが、きっと違うと自分に言い聞かせ、落ち着こうとしていた。
八重子ちゃんにはしっかり口止めしたし、乗友さんたちは悔しい思いをした話を自ら広めたりしないだろうし。
それでも、“まさか”という懸念を消せないので、ショルダーバッグで顔を隠し、中腰でコソコソしながら通路を進み、まずは八重子ちゃんの席へ行った。
そこは、久瀬さんのデスクと同じ列で、五つ隣の手前側の席だ。
八重子ちゃんは昨日が期限であった書類の作成を、今朝も行なっているようで、難しい顔をしてノートパソコンの画面に集中している。
大会議室で乗友さんたちと一悶着があった翌日。
今朝はオーブンの調子が悪く、お弁当用のスペアリブを焼くのに時間がかかってしまった。
そのため久しぶりに遅刻しそうになり、始業四分前に事業部に駆け込んだ私は、久瀬さんの席周囲に二十人ほどの人だかりを見た。
なんだろう……嫌な予感がする。
その予感とは、私と彼が恋人関係にあるという噂が広まってしまったのではないかということだが、きっと違うと自分に言い聞かせ、落ち着こうとしていた。
八重子ちゃんにはしっかり口止めしたし、乗友さんたちは悔しい思いをした話を自ら広めたりしないだろうし。
それでも、“まさか”という懸念を消せないので、ショルダーバッグで顔を隠し、中腰でコソコソしながら通路を進み、まずは八重子ちゃんの席へ行った。
そこは、久瀬さんのデスクと同じ列で、五つ隣の手前側の席だ。
八重子ちゃんは昨日が期限であった書類の作成を、今朝も行なっているようで、難しい顔をしてノートパソコンの画面に集中している。