エリート御曹司は獣でした
衣装だけではなく、ぴょっこりはんのネタもビデオを見て練習し、完璧にマスターしてきた。
今からそれを、披露しようと思う。
「ワンツースリー、GO!」
恥ずかしさがないわけではないが、彼を正気に戻したいという気持ちの方が強いため、私は真面目に全力でモノマネをする。
まずは床に置いていた自分のショルダーバッグを顔の前に持ち上げ、その横からぴょっこりと、間抜け顔を覗かせる。
次にテーブルの上にあったティッシュの箱を取り、「はい、ぴょっこりはん」と上から顔を出した。
久瀬さんは目を見開いたまま、ソファから動かずに私を見ている。
いい調子だと、作戦の成功を予感した私は、続いて持参した新聞紙を顔の前に大きく広げた。
その中心を破って顔を出すのが、ぴょっこりはんのお馴染みのネタなのだが……私がそれをやる前に、立ち上がった久瀬さんに新聞を真っ二つに裂かれてしまった。
「隠すなよ。体を見せろ」と甘い声で命じる彼は、まだ正気に戻っていない。
予想外の事態に慌てる私の手首を掴み、彼はソファに仰向けに引き倒した。
「キャッ!」と声をあげたが、お構いなしに私に覆い被さり、低く艶めいた声で驚くことを言う。
「その衣装、そそるな」
「へ? どこが……?」
「タンクトップからブラの肩紐がはみ出てるぞ。花柄も透けている。スパッツは下着のラインが丸わかりだ。誘っているんだろ? 望み通りにしてやるよ」
今からそれを、披露しようと思う。
「ワンツースリー、GO!」
恥ずかしさがないわけではないが、彼を正気に戻したいという気持ちの方が強いため、私は真面目に全力でモノマネをする。
まずは床に置いていた自分のショルダーバッグを顔の前に持ち上げ、その横からぴょっこりと、間抜け顔を覗かせる。
次にテーブルの上にあったティッシュの箱を取り、「はい、ぴょっこりはん」と上から顔を出した。
久瀬さんは目を見開いたまま、ソファから動かずに私を見ている。
いい調子だと、作戦の成功を予感した私は、続いて持参した新聞紙を顔の前に大きく広げた。
その中心を破って顔を出すのが、ぴょっこりはんのお馴染みのネタなのだが……私がそれをやる前に、立ち上がった久瀬さんに新聞を真っ二つに裂かれてしまった。
「隠すなよ。体を見せろ」と甘い声で命じる彼は、まだ正気に戻っていない。
予想外の事態に慌てる私の手首を掴み、彼はソファに仰向けに引き倒した。
「キャッ!」と声をあげたが、お構いなしに私に覆い被さり、低く艶めいた声で驚くことを言う。
「その衣装、そそるな」
「へ? どこが……?」
「タンクトップからブラの肩紐がはみ出てるぞ。花柄も透けている。スパッツは下着のラインが丸わかりだ。誘っているんだろ? 望み通りにしてやるよ」