エリート御曹司は獣でした
彼も私と同様に早く帰りたいと言いたげな目をしていたけれど、上司である長野さんに『杉山も行くよな』と言われては、嫌だと言えないようである。
小柄でヒョロリとした体型からは、食が細そうな印象を受けた。
私たち四人を乗せたタクシーは、十五分ほど走り、有名老舗ホテルのロータリーで停車した。
長野さんが、寿司が食べたいと言ったので、この中にある寿司店を久瀬さんが提案したのだ。
最近リニューアルオープンしたばかりのこのホテルは、新築のような真新しさがあり、ドアボーイが開けてくれたガラス扉からロビーに入れば、落ち着いて気品のある優美な空間が開けた。
静かな中に、「ここの寿司屋、うまいんだよな。久瀬さん、いいチョイスだよ」と笑いながら話す長野さんの大きな声が、場違いに響き、少々恥ずかしい。
長野さんと久瀬さんが並んで奥へと歩き、私と杉山さんがその後ろをついて行く。
私と杉山さんにこれといった会話もなく無言が続いていたのだが、突然、彼が顔を近づけて、「すみません」と小声で謝ってきた。
「長野さんは大食漢なんです。遠慮を知らない人でもあります」
「そ、そうなんですか……」
小柄でヒョロリとした体型からは、食が細そうな印象を受けた。
私たち四人を乗せたタクシーは、十五分ほど走り、有名老舗ホテルのロータリーで停車した。
長野さんが、寿司が食べたいと言ったので、この中にある寿司店を久瀬さんが提案したのだ。
最近リニューアルオープンしたばかりのこのホテルは、新築のような真新しさがあり、ドアボーイが開けてくれたガラス扉からロビーに入れば、落ち着いて気品のある優美な空間が開けた。
静かな中に、「ここの寿司屋、うまいんだよな。久瀬さん、いいチョイスだよ」と笑いながら話す長野さんの大きな声が、場違いに響き、少々恥ずかしい。
長野さんと久瀬さんが並んで奥へと歩き、私と杉山さんがその後ろをついて行く。
私と杉山さんにこれといった会話もなく無言が続いていたのだが、突然、彼が顔を近づけて、「すみません」と小声で謝ってきた。
「長野さんは大食漢なんです。遠慮を知らない人でもあります」
「そ、そうなんですか……」