エリート御曹司は獣でした
綾乃さんと香織のふたりに呆れ顔をされても、八重子ちゃんはニコニコと自分のマグカップに口をつけ、おにぎりを頬張るのみ。
それを見て、私は笑って言った。
「まぁまぁ。変わってるけど、なかなか美味しいお茶だよ。せっかく淹れてくれたんだから文句言わないで飲もうよ。飲めない人は、自分で淹れ直すこと」
奇跡的に味の調和がとれているのは、八重子ちゃんの天然の才かもしれない。
この場を丸く収めたつもりの私は、大きめの手作り肉シュウマイの続きに戻ったが、香織にジロリと睨まれてしまう。
「な、なに?」
ワカメ入りブレンドティーを擁護したのが気に障ったのかと思ったけれど、そうではない様子。
「八重子より、奈々子に問いただしたいことがある」と香織は、語気を強めて言った。
目を瞬かせて続きを待つ私は、ギクリとさせられる。
「さっき、久瀬さんに頭をポンとされていたよね。最近ふたりで、ヒソヒソ話しをしているし、怪しい。急に親しくなったのはどうしてかな?」
見られてた……と冷や汗をかきつつも、私は「そんなんじゃないよ」とごまかそうとする。
「同課だから、香織たちより接点が多いだけで、特に親しいわけでもないから……」
それを見て、私は笑って言った。
「まぁまぁ。変わってるけど、なかなか美味しいお茶だよ。せっかく淹れてくれたんだから文句言わないで飲もうよ。飲めない人は、自分で淹れ直すこと」
奇跡的に味の調和がとれているのは、八重子ちゃんの天然の才かもしれない。
この場を丸く収めたつもりの私は、大きめの手作り肉シュウマイの続きに戻ったが、香織にジロリと睨まれてしまう。
「な、なに?」
ワカメ入りブレンドティーを擁護したのが気に障ったのかと思ったけれど、そうではない様子。
「八重子より、奈々子に問いただしたいことがある」と香織は、語気を強めて言った。
目を瞬かせて続きを待つ私は、ギクリとさせられる。
「さっき、久瀬さんに頭をポンとされていたよね。最近ふたりで、ヒソヒソ話しをしているし、怪しい。急に親しくなったのはどうしてかな?」
見られてた……と冷や汗をかきつつも、私は「そんなんじゃないよ」とごまかそうとする。
「同課だから、香織たちより接点が多いだけで、特に親しいわけでもないから……」