不機嫌ですが、クールな部長に溺愛されています
◇再会プリンス
明るい日が差し込む教室に、ひとり席に座って本を読む男の子がいる。
サラサラの髪の毛は絹糸のように綺麗で、肌は白く、伏し目がちの二重の瞳は優しく澄んでいて。
陽だまりに溶け込みそうな儚げなその姿は、天使だとか、王子様だとか、とにかく高貴ななにかに例えたくなるほど美しかった。
私は、彼のことを──。
『あんたみたいなヤツ、大嫌い』
< 1 / 124 >