不機嫌ですが、クールな部長に溺愛されています
初めて上がる耀の部屋はカフェのようなインテリアで統一されていて、気取っていないのにとてもオシャレな雰囲気だ。私と同じ間取りなのに、全然違って見える。
さすがデザインの仕事をしているだけあってセンスがあるな、と感心しつつ、ベッドに並んで座って話すことにした。
明日会う予定の長沼さんは、この間居酒屋でひと悶着起こしたゲス男であること。食事を断ったら私が彼に悪態をついたことをバラされるかもしれないこと。
そのすべてを打ち明けると、耀は「そういうことか」と納得した。そして、私を安心させるように笑みを向ける。
「心配いらないよ。なっちゃんが行く必要はない」
「でも、それじゃ──」
「大丈夫。君の全部を僕が守るから、絶対に」
彼は自信に満ちた様子で宣言した。その頼もしさにはキュンとしてしまうけれど、なぜ大丈夫だと言い切れるのだろうか。
「その自信はどこから湧いてくるわけ?」
「明日になればわかるよ。とりあえず、そのことはもう気にしないでおこう」
いや、気になるし。あっけらかんとしている耀に対し、私は悶々としてしまう。