不機嫌ですが、クールな部長に溺愛されています
小学生時代にたくさん辛辣な言葉をぶつけた私への復讐みたいなものかと思っていたけれど、そんな子供っぽいことではなくて。

あの頃とは立場が逆転していること、自分が逞しい男性へと成長したことを、私にわからせたかったようだ。

甘く迫ってきたのも、私に屈辱を味わわせるというよりも、私は女で、彼は男であることを思い知らせたかったのだろう。

ようやく納得できた私は、負けを認めた笑いをふっとこぼす。


「……作戦成功ね。耀のこと頼りたいと思ったし、再会してからずっとドキドキさせられてる。悔しいくらい」


正直に白状すると、彼は嬉しそうな顔を見せて、「ドキドキさせられてるのは僕も同じだけどね」と言った。

ふたりで笑い合うと、どちらからともなく唇を寄せ、とろけるようなキスを交わしながらベッドに倒される。

ゆっくり開けた瞳に、天井と、くらくらするほどの色気を放って私を征服する耀の美しい顔が映った。

鼓動が激しさを増すのを感じながら、彼を見つめて最終確認する。
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