不機嫌ですが、クールな部長に溺愛されています
耀は一瞬キョトンとしたあと、なぜか俯き気味に片手を額に当て、小さくため息を吐き出す。


「なつみが可愛すぎてツラい」


続いて聞こえてきたのは盲愛なひとことで、私はますます恥ずかしくなってしまった。普通に名前で呼んでくれるようになったのも嬉しいし、幸せだ。

しかし、惚けている場合ではない。いろいろな謎を明らかにしないと。


「ねぇ、私を呼んだ理由はなに? Akaruさんが私と話したいって言ってたみたいだけど、どういうこと?」


気を取り直してまずそれを尋ねると、耀もなんだか改まった様子で、背筋を伸ばして答える。


「そのままの意味だよ。恋人になった君に、全部話したくて」


いやいや、“そのままの意味”っていう意味がわからないから。

困惑して眉根を寄せる私に、耀は含みのある笑みを浮かべ、再び口を開く。


「僕がAkaruなんだ」


次いで聞こえてきたひとことは、すぐには理解できないくらい衝撃的なものだった。

ちょっと待って。耀が、Akaru?
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