不機嫌ですが、クールな部長に溺愛されています
「じゃあ、Akaruの正体がバレちゃったんでしょう? そんなことしてよかったの?」
「大丈夫。知名度が上がるまでは隠そうとしてたけど、今はもう自然に任せる感じだから。それに、君を守るためなら安いものだよ」
まったく問題なさそうにする耀に安堵しつつも、最後の言葉でトクンと胸が鳴った。
私を見つめる彼の瞳に、情熱の色がみるみる濃くなっていく。
「なつみが思ってるより、僕は君が大切なんだ。今の僕があるのはなつみのおかげだから」
「……私?」
意外な発言に、ぽかんとしてしまう。耀に助けられたことは何度もあったけれど、私がなにかしてあげたことがあっただろうか。
考えても、彼のためになにもできていない自分に嫌気が差すばかり。そんな私の耳に、穏やかな声が届く。
「小学生のとき、僕は外に出られないから、本を読むか絵を描くことくらいしかできなかった。その絵を見た君が、『すごく上手』って言ってくれたこと、覚えてる?」
「あぁ、うん。覚えてる」
ついさっき思い出していた遠い日のことを、耀も覚えていたらしい。
「あの毒舌なっちゃんが褒めた!って、結構衝撃だったんだよね」と言って、懐かしそうに笑うものだから、私は口の端を引きつらせた。
「大丈夫。知名度が上がるまでは隠そうとしてたけど、今はもう自然に任せる感じだから。それに、君を守るためなら安いものだよ」
まったく問題なさそうにする耀に安堵しつつも、最後の言葉でトクンと胸が鳴った。
私を見つめる彼の瞳に、情熱の色がみるみる濃くなっていく。
「なつみが思ってるより、僕は君が大切なんだ。今の僕があるのはなつみのおかげだから」
「……私?」
意外な発言に、ぽかんとしてしまう。耀に助けられたことは何度もあったけれど、私がなにかしてあげたことがあっただろうか。
考えても、彼のためになにもできていない自分に嫌気が差すばかり。そんな私の耳に、穏やかな声が届く。
「小学生のとき、僕は外に出られないから、本を読むか絵を描くことくらいしかできなかった。その絵を見た君が、『すごく上手』って言ってくれたこと、覚えてる?」
「あぁ、うん。覚えてる」
ついさっき思い出していた遠い日のことを、耀も覚えていたらしい。
「あの毒舌なっちゃんが褒めた!って、結構衝撃だったんだよね」と言って、懐かしそうに笑うものだから、私は口の端を引きつらせた。