不機嫌ですが、クールな部長に溺愛されています
こちらもお辞儀をして、彼の隣に並ぶもうひとりの男性に目をやる。
これまた整ったお顔の美青年ではないか、とアイドルグループにいそうな顔面偏差値の高い彼を見たまま、私はしばし瞬きを繰り返す。
……ちょっと待って。この人、似てる。夢に出てきたあの子に。
もし、これで苗字が同じ部長様だったら、まさか……。
名刺交換が始まっているにもかかわらず気を取られまくっていると、彼の番が回ってきた。慣れた様子で、社長に名刺を差し出す。
「制作部長兼、アートディレクターの加々美 耀(かがみ よう)と申します」
「よ──っ!」
思わず名前を復唱しそうになり、慌てて口を手で押さえた。突然声を上げた私に、皆の視線が集中する。
「どうかしましたか? 綾瀬さん」
泉堂社長が不思議そうに私の顔を覗き込んで尋ねたとき、こちらをまじまじと見ている加々美さんが口を開く。
「綾瀬……って、“なっちゃん”?」
半信半疑な調子で懐かしいあだ名を呼ばれ、確信した。この人は、私と小学校時代を過ごした加々美 耀、本人だと。
これまた整ったお顔の美青年ではないか、とアイドルグループにいそうな顔面偏差値の高い彼を見たまま、私はしばし瞬きを繰り返す。
……ちょっと待って。この人、似てる。夢に出てきたあの子に。
もし、これで苗字が同じ部長様だったら、まさか……。
名刺交換が始まっているにもかかわらず気を取られまくっていると、彼の番が回ってきた。慣れた様子で、社長に名刺を差し出す。
「制作部長兼、アートディレクターの加々美 耀(かがみ よう)と申します」
「よ──っ!」
思わず名前を復唱しそうになり、慌てて口を手で押さえた。突然声を上げた私に、皆の視線が集中する。
「どうかしましたか? 綾瀬さん」
泉堂社長が不思議そうに私の顔を覗き込んで尋ねたとき、こちらをまじまじと見ている加々美さんが口を開く。
「綾瀬……って、“なっちゃん”?」
半信半疑な調子で懐かしいあだ名を呼ばれ、確信した。この人は、私と小学校時代を過ごした加々美 耀、本人だと。