不機嫌ですが、クールな部長に溺愛されています
サラサラのブラウンの髪、くっきりとした二重の瞳にスッと通った鼻筋、やや厚めの唇。昔は同じくらいだった身長は、百六十センチの私を頭ひとつ分は越えている。声も、低く滑らかになっていて……。
十数年ぶりに再会した彼は、王子様の面影を残しながらも、すっかり大人の男性に成長していた。
驚きと動揺でいつもの秘書スマイルが作れないまま、ぎこちなく頷く。
「はい……綾瀬なつみ、です」
フルネームを名乗れば、耀の表情がぱぁっと明るくなった。その反応は意外で、私は目を丸くする。
「やっぱり! 違ったらどうしようって思ってたんだ。すごく綺麗になってるから」
ドク、と心臓が揺れ動く、久々の感覚を覚えた。
“綺麗”って、彼も皆と同じくお世辞で口にしているはずなのに、なにを真に受けているんだか。普段なら笑ってお礼を言っているのに。
いつもの調子を出せずにいると、社長が私たちを交互に見て微笑む。
「お知り合いでしたか」
「え、えぇ、小学校のクラスメイトで……」
なんとか口角を上げて答える私に、耀はキラキラと輝いているような笑顔を向ける。
「僕のことも覚えててくれたんだね。嬉しい」
邪気を感じない素直な言葉に、うぐ、と喉が詰まった。
十数年ぶりに再会した彼は、王子様の面影を残しながらも、すっかり大人の男性に成長していた。
驚きと動揺でいつもの秘書スマイルが作れないまま、ぎこちなく頷く。
「はい……綾瀬なつみ、です」
フルネームを名乗れば、耀の表情がぱぁっと明るくなった。その反応は意外で、私は目を丸くする。
「やっぱり! 違ったらどうしようって思ってたんだ。すごく綺麗になってるから」
ドク、と心臓が揺れ動く、久々の感覚を覚えた。
“綺麗”って、彼も皆と同じくお世辞で口にしているはずなのに、なにを真に受けているんだか。普段なら笑ってお礼を言っているのに。
いつもの調子を出せずにいると、社長が私たちを交互に見て微笑む。
「お知り合いでしたか」
「え、えぇ、小学校のクラスメイトで……」
なんとか口角を上げて答える私に、耀はキラキラと輝いているような笑顔を向ける。
「僕のことも覚えててくれたんだね。嬉しい」
邪気を感じない素直な言葉に、うぐ、と喉が詰まった。