不機嫌ですが、クールな部長に溺愛されています
「ねぇ、いつまでこうしてるつもり?」
「別れるまで。なっちゃん手冷たいし」
耀は繋いだ私の手を自分の口元に近づけ、はーっと温かい息を吹きかけた。
その仕草に幾度となくドキッとしつつ、自然にこんなことができる男がいるとは、と妙に感心すらしてしまう。
「女の子かっ」とツッコみ、手を離そうとするも、強くギュッと握られて阻止される。少々おかしな攻防戦を繰り広げた結果、敵わないようなので諦め、力を抜いた。
なんでこんなカップルみたいなことをしているんだろうか……。真面目に考えるとよくわからなくなってくるので、とにかく早く帰りたい一心で問いかける。
「耀の家の最寄り駅は?」
「天王町。最近引っ越したんだ」
「げっ、同じじゃない……」
「ほんと? じゃあしばらくこうしていられるな」
嬉しそうに微笑む耀は、まさかの事実に顔をしかめる私に、「あからさまに嫌そうな顔しない」とたしなめた。
それから、案の定ずっとくっついていることになって参ってしまった。ただ、混雑する電車内で私を壁側に立たせ、守るように身体で囲っていてくれたのは乙女心をくすぐられる。
「別れるまで。なっちゃん手冷たいし」
耀は繋いだ私の手を自分の口元に近づけ、はーっと温かい息を吹きかけた。
その仕草に幾度となくドキッとしつつ、自然にこんなことができる男がいるとは、と妙に感心すらしてしまう。
「女の子かっ」とツッコみ、手を離そうとするも、強くギュッと握られて阻止される。少々おかしな攻防戦を繰り広げた結果、敵わないようなので諦め、力を抜いた。
なんでこんなカップルみたいなことをしているんだろうか……。真面目に考えるとよくわからなくなってくるので、とにかく早く帰りたい一心で問いかける。
「耀の家の最寄り駅は?」
「天王町。最近引っ越したんだ」
「げっ、同じじゃない……」
「ほんと? じゃあしばらくこうしていられるな」
嬉しそうに微笑む耀は、まさかの事実に顔をしかめる私に、「あからさまに嫌そうな顔しない」とたしなめた。
それから、案の定ずっとくっついていることになって参ってしまった。ただ、混雑する電車内で私を壁側に立たせ、守るように身体で囲っていてくれたのは乙女心をくすぐられる。