不機嫌ですが、クールな部長に溺愛されています
ふたりが交際を始めたのは二ヶ月ほど前で、彼に恋心を抱いていた私はあえなく玉砕した。
ライバルであった倉橋さんには、嫉妬からつい攻撃的になってしまい、彼女だけは唯一私の本性を知っている。
しかし、口止めしていないにもかかわらず、私が愛想のいい秘書を演じていることは誰にも言っていないらしい。
呆れるくらい真面目で、悪態をつく私を嫌ったりもせず普通に接してくれるような度量を持っている。彼女のそういうところに社長は惹かれたんだろうと、本当はなんとなくわかっている。
最初から望みの薄い恋だったから、もう未練もないけれど、ああやって親密にしているシーンを目の当たりにすると胸がチクチクしてしまう。
ぽうっと惚けているリケジョに恨めしげな視線を送っていると、こちらに気づいた彼女は瞬時にギョッとした顔に変わった。
その直後、社長が踵を返してこちらに向かってくるので、私もスッと穏やかな微笑みに戻す。それを見ていた倉橋さんは、案の定口の端を引きつらせていた。
ライバルであった倉橋さんには、嫉妬からつい攻撃的になってしまい、彼女だけは唯一私の本性を知っている。
しかし、口止めしていないにもかかわらず、私が愛想のいい秘書を演じていることは誰にも言っていないらしい。
呆れるくらい真面目で、悪態をつく私を嫌ったりもせず普通に接してくれるような度量を持っている。彼女のそういうところに社長は惹かれたんだろうと、本当はなんとなくわかっている。
最初から望みの薄い恋だったから、もう未練もないけれど、ああやって親密にしているシーンを目の当たりにすると胸がチクチクしてしまう。
ぽうっと惚けているリケジョに恨めしげな視線を送っていると、こちらに気づいた彼女は瞬時にギョッとした顔に変わった。
その直後、社長が踵を返してこちらに向かってくるので、私もスッと穏やかな微笑みに戻す。それを見ていた倉橋さんは、案の定口の端を引きつらせていた。