未然見合い
Chapter.1
/事後報告
バタン、と。背後では扉が閉まる音。
それを何の気なしに耳にしながら、ふらりと覚束無い足取りでベッドに向かっていく。
「あ゛ー、つっかれた……」
勢い付いたまま、そこへダイブ。
そんなことをしている中でも、メイク落とさなきゃとか色々と考えは巡っていた。
けれど、じわじわと襲ってくる眠気に勝てるほどのものでも無くて。
「……も、無理」
呟くようにそう発したまま、睡眠の世界に旅立つことを覚悟した。
散乱している布団類を掻き集め、深く息を吐き出した――そのときだった。
―――リィイイイイン!
中々電話に出ない所為で友人に変えられた着信音。
耳にする度に飛び上がる心臓は必然で、そんな曰くつきの"黒電話"によって眠気は吹っ飛んでいった。
「は、もう……誰よ」
気分は最悪。
長く伸びた髪を片手で掻き上げながら、ベッド下に放っておいたバッグに腕を伸ばす。
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