未然見合い






"―――……ったよな"

「え、なに?」

"いや。なーんでも"



出始めの言葉が聞き取れなくてそう聞き返すあたしだったけれど、やけに弾んだ男の声色にまあいいか、なんて。

軽く買い物をしてから帰る旨を伝え、そのまま今度こそ通話を終了させたのだった。






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