未然見合い



それからのあたしは、本当に変わった。




『好美、また男変えたのー?』

『……まあね』

『あはは、あんたも相当遊び人だよね。ねえ、今度元カレでいいから紹介してよ』

『ん、いいよ』



告白されては付き合って、飽きたら振ってまた告白されて。

そんな生活を無限ループのように繰り返し、化粧も濃くなって、愛想笑いばっかりになって。





『……好美、』

『話し掛けないで』



そうなったあたしは、翔太を受け入れられなくなった。

酷く傷付いた彼を視線は捉えていたけれど、無理だった。普通になんて、戻れない。




だって、貴方にはあたし以外の女の子がいるでしょう?

あたしは、必要ないじゃない。





『ほら、早く行こ』

『えー、いいの?だって翔太くん――』

『いいから』



同じように、クラスでもメイクやファッションに力を入れている女の子と行動を共にしたりして。




視界に翔太が映り込む度に、胸はズキリと音を立てて痛んだ。

その度に知らないふりをして、"強気な女"という名の仮面を塗り固めていった。


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