Sarcasm
「ヴィーナス、そんなに暇なら今からマーズとともに拷問でもするか?」

ネプチューンとマーキュリーの表情が固まり、ヴィーナスは目を輝かせる。

「わあ〜!本当ですか!?誰を拷問するんですか?」

「プルートの内部調査を行おうと侵入しようとした者だ」

つまり、ネプチューンたちと同じ警察の人間ということだ。マーキュリーが助けたいという目でネプチューンを見る。しかし、ネプチューンは首を横に振った。

全ての人間を助けられるわけではない。もしも迂闊に手を出せば、自分たちの身を危険に晒してしまう。時には助けないという選択が必要になってくるのだ。

「ヴィーナス様、行きましょう。悪をこの手で懲らしめるのです!」

マーズがヴィーナスの手を取り、地下にある拷問室へと向かう。拷問室には、内部調査をしようとした警察官が縛られているのだろう。

「マーキュリー、この部屋は特等席なのだ」

マーズとヴィーナスが部屋を出て行った後、ジュピターが黒い笑みを浮かべる。そしてサターンを呼んで酒とクラッカーを用意させた。

「…どういうことですか?」

マーキュリーが恐る恐る訊ねる。ジュピターは黒い笑みを浮かべたまま、「この組織にいるということは、猟奇的なことがたまらなく好きということだ。この部屋がじきに天国に見えるだろう」と言った。

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