Sarcasm
あのショックな出来事から早三週間。プルート対策本部の警察官たちは、プルートのアジトを目指して森を歩いていた。
先頭を歩くのは、マーキュリーとサターン。ネプチューンは組織の用心棒としてアジトの中にいる。
「いよいよですね…」
銃を持ったマーキュリーが呟く。
「大丈夫だ、俺たちならできる」
サターンが隣で何度も言った。
警察官たちは、プルートのアジト周りを取り囲み、組織のメンバーたちが逃げ出せないようにした。
「……こちらの準備は整いました」
サターンが無線で議長に言う。議長からすぐに突撃の合図が入った。
「突撃!!」
鍵が厳重にかけられた扉を力任せに壊し、警察官たちはアジトへ流れ込んだ。
「マーキュリー先輩、もう突撃します!」
警護に当たっていたネプチューンは、マーキュリーからの無線を聞き、心が震えた。ついにこの時が来たのだ…!私の復讐が始まる!心がそう叫ぶ。
その刹那、扉が破壊される音と、声を上げながら飛び込んでくる警察官たちの足音などが聞こえ始めた。
「何なの!?ジュピター様、奇襲ですわ!起きてください!」
ネグリジェ姿のヴィーナスが、拳銃を取り出し、ジュピターを起こす。ジュピターは慌てふためいていた。