Sarcasm
「とにかく、警察どもを駆逐しろ!!絶対に私が逮捕されてはならぬ!!私を守れ!!」

仮眠していたメンバーを叩き起こし、ジュピターは拷問室の真上にある部屋へと向かう。

「ジュピター様、警護いたします」

ネプチューンが言うと、ジュピターは「頼む」と短く言った。ネプチューンは嬉しさで胸がいっぱいになる。こんなに嬉しさを感じたのは、とても久しぶりだ。

「私もジュピター様をお守りします!」

ヴィーナスがそう言って部屋を出て行った。

遠くから争う物音が響く。天井を眺めるジュピターを、ネプチューンは監視するように眺めていた。



サターンは地下にいたウラヌスと対峙していた。互いの目は、憎しみと怒りに満ちている。

「……お前は裏切り者だったんだな……」

「そうだ。こんな組織に誰が本気で入りたいと望むんだ?」

「黙れ!!ジュピター様を裏切る者に、情けなどかけるものか!!」

ウラヌスは剣を抜き、サターンに振り下ろす。サターンはそれをかわし、自分も剣を抜いた。

「……勝負だ」

二人の剣が、何度も交わった。



広間では、マーキュリーとヴィーナスの銃撃戦が行われていた。その激しさに、誰も手を出すことはできない。
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