Sarcasm
彼女はお店や人が多く行き交う表通りから、薄暗くまさに犯罪の温床と言えるような裏通りへと足を踏み入れていった。

「よう、姉ちゃん。一緒に飲まねえか?」

顔を昼間から赤らめた酔っ払いが、彼女に飲みかけの酒の瓶を振る。

「……結構よ」

冷たく言った彼女の腕を、酔っ払いが「そう照れんなよ〜」と掴む。

彼女の目が一層鋭くなった。酔っ払いの腕を一瞬で振りほどき、酔っ払いの腹に拳を叩き込む。その場に崩れ落ちる酔っ払いの頭に、彼女はブーツの足を振り下ろし、苦しむ酔っ払いを睨みつけた。

「……汚い手で触んじゃねえ」

そのまま彼女は裏通りを歩き、古びた一見廃墟に見える建物の中へと入っていった。

埃の積もった廊下を進み、大きな扉の前で彼女は立ち止まる。

大きく息を吐き、扉をノックした。

「誰だ?」

低い男性の声が扉の向こうから響く。

「ネプチューンです。報告に参りました」

「…入れ」

ネプチューンが扉を開けると、真っ白な長い髪をした長身の男がいた。その手には殺傷能力が高い銃がある。

部屋は三十畳の広さで、廊下には埃が積もっているが、中はとてもきれいに掃除されている。

部屋の中には様々な家具や、武器が置かれている。その部屋には一人の女性と、三人の男性がいた。
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