Sarcasm
「ジュピター様、お疲れですか?」

ジュピターに抱きつき、豊かな胸を黒いドレスを着た女性が押し付ける。ネプチューンは吐き気が込み上げてきた。

彼女はヴィーナス。ジュピターの愛人。歳はネプチューンより少し上だ。人殺しはせず、常にジュピターのそばにいる。しかし、射撃の腕前は人一倍ある。

「ジュピター様、今度新しいドレスを買ってください!」

「そうだな。ヴィーナス、君は美しい。美しい女には美しい装いをさせねばな」

そんなやり取りをネプチューンは冷たい目で見ていたが、「おい」と後ろから声をかけられた。

振り向くと、ウラヌスより背の高い男性がネプチューンを見下ろしていた。

「そこをどけ。ジュピター様に話がある」

彼はサターン。畑いじりを趣味としているが、プルートのメンバーだ。

「…わかってるわよ」

ネプチューンはヴィーナスといちゃつくジュピターに頭を下げ、玉座の前から離れる。

「ジュピター様、プルートに新たなメンバーが加わると聞いたのですが…」

サターンがジュピターに訊ねると、ジュピターは「ああ、そうだったな」と思い出す。

「実はもう呼んでいるんだ。ウラヌス、二人をここへ」

「はい」

ジュピターに命じられ、ウラヌスはすぐに動く。黙々と仕事をこなす為、ウラヌスはジュピターに一番信用されている。
< 4 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop