君を消したワタシ。君に消されたボク。
 それからなんと言ってもあの人の声。

 柔らかそうな唇から生み出される少し高めの声。

 声変わりなんてとっくの昔に終えているのに高めのその声に酷く親近感が沸く。

 一見すると単調で少し冷たくさえ感じるトーンで紡がれる言葉も、それがどんな時も維持されているせいで次第に心地よく変った。

 優しいところ。

 弱いところ。

 真面目なところ。

 気難しいところ。

 強がりなところ。

 寂しがりやなところ。

 本当に絶え間なく溢れてくる。
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