その夜は、星が綺麗だった
「あ、お姉さん、これどうぞ」


今日の調理実習で作ったフロランタン


「いただいても、よろしいのですか?」


驚いた顔でおどおど言うお姉さん


「作りすぎちゃって食べきれないので、お姉さんがもらってくれると助かります」


私が笑顔で言うとお姉さんも微笑み返してくれた

「ありがとうございます、レナさん。あとでいただきますね」


「はい、喜んでもらえてよかったです」


では、私はこれで、と、言おうとしたがお姉さんが私の後ろ、ガラス張りのドアの方へ視線を移したため言うのをやめ振り返った




「おかえりなさい」


お姉さんは寮へ帰ってきた男女二人ずつ四人の美男美女の生徒に声をかけた


私はニコっと四人組に笑みを向けこの場から立ち去る


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