その夜は、星が綺麗だった
『こっちにあったぜ』


私の腕を引くアキトくん



『アサヒくん、春ちゃんよろしく』



『ちょ、……分かった』



春ちゃんはずっとカワイイものに夢中だった



『ほら、これ』


『わあ、白色のもあるんだ』



そこにあったのは、白色のネコ


首にスミレ色の月のネックレスをしているネコ


瞳はグレーだった



『この2匹のネコでセットなんだろうね』


横に並べてみると互いに寄り添いあっているようだった



『いいだろ。ということで、俺は白い方で、レナは黒い方のネコを買おう』


『はあ?アキトくんが2匹とも買いなさいよ』


『2匹とも俺が買おっか?』


『そうしたら?』



『じゃあ、俺からレナへのプレゼントになるな』


にやぁとイタズラな笑顔


『なら、自分で買います』


私が買わなかったら2匹とも買って黒ネコを私に贈るつもりだったんだろう

なら、自分で買う



人に何かを奢ってもらうとかお金を出してもらうのは好きじゃない


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