その夜は、星が綺麗だった
あっ、明日のこと言わなきゃ


「お姉さん、明日友達と一緒に出掛けてもいい?」


お姉さんに話しかけたのにお兄さんが反応する


「でーとかおじょーちゃんっ!?」


お兄さん声でかい...


「友達は異性だけど、デートとかいうんじゃないから」


お姉さんは少し困ったような顔をした


やっぱダメか...


「相手も私のことは分かってるから、ダメもとで私を誘ってきたと思うし...」


だんだん声が小さくなった

ちょっと残念だな...


ジョンが珍しく誘ってくれたからちょっと一緒にどこかに出掛けようかなって...



「ルナさん、そんな顔しないでください。明日は私たちのほうでやっておきますから。誕生日ですもの、お友達と楽しんできてください」



私いったいどんな顔してるんだろ


「ありがとう。誕生日も覚えてくれていて嬉しい」


「おじょーちゃん、お、おれも覚えてたぜい!」


ふーん

じゃあなんでそんなに焦ってるのかしら~??



ミラーごしにお兄さんを睨みつけていると、お兄さんが私の視線に気づいた

ギクッと効果音をつけてもいいくらいの焦りよう


お姉さんが「...リョウ」とあきれ交じりに言うとお兄さんは観念した様子で、「おじょーちゃん、すまねぇ...あっ!でも、プレゼントは用意しとくからさっ!!」と、運転中にもかかわらず、普通によそ見をする



「ありがとう、でも、危ないから今は運転に集中して」


「ういーすぅ」


あと、その軽々しいのどうにかならないの?


と、思ったが口には出さずに心に留めておく


< 156 / 288 >

この作品をシェア

pagetop