その夜は、星が綺麗だった
気分転換にどこかの公園に行くって言っても、桑原が付いてくる


『気分転換って言ってるでしょ?』って言ったら、『すみません。仕事ですので』って言って、私の側から離れてくれないお邪魔虫さん


仕方ないことくらいは分かってる

今日のこれからだって、ジョンとどこか出かけるって伝えたら、『.......すみません』とかいうから、これは本当に父に対して怒りそうになった


お姉さんが私のどうしようもない怒りを鎮めてくれた




お姉さんが父に話して、今日は桑原が付いてこない




桑原には悪いけど

邪魔がいないっていいね




「ありがとう、美味しかったよ八代」


サンドイッチというシンプルな料理なのに一流のシェフが作った料理に匹敵するほどのおいしさ



「ありがとうございます。有意義な時間を」


「ええ」



私は部屋に戻り、着替える


日本より少し肌寒い


だぼだぼの白のニット
ズボンは黒のレザー

拘束が緩いから、ピアスをするのが憧れだったから
アメリカに来てしばらくしてから耳に穴をあけた


母がプレゼントしてくれたサファイヤが埋められた小さなピアスをする


いつもおろしている腰近くまで伸びた長い髪を高めの位置で一つに結ぶ






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