その夜は、星が綺麗だった
「いえ、少しお話をと思ってね」


ドアを閉め、私のバットの上に座る母


「そのネックレス、どのような経緯で、誰からもらったのかしら?」


服の下に隠してあったのにな


首元から見えるシルバーを母は見逃さなかったようだ



「私の誕生日に、あのマーティン財閥の御曹司からプレゼントとしていただきました」



隠すこともないかと思い正直に話してみる


母は驚いた顔でこう言った


「あら、親しいのね。まさか、お付き合いしているのかしら?」


楽しそうに聞いてくる母


娘のコイバナは、いえ、娘いじりはたのしいものなんですのかねぇ



「交際はしていません。ただ、今同じクラスで、私が編入した時も同じクラスの隣の席であって、いろいろと教えてもらっているうちに、親しくなっただけで他意はありません」



嘘はついてないですよ?と付け加える



「そう。まあ、あなたはそうかもしれませんけど、相手がどう思ってるかは...ねぇ」



くすくすと笑いながらシルバーのネックレスを見る


母の言いたいことはこうだろう


『ジョンは私に好意を抱いている』







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