その夜は、星が綺麗だった
キーンコーンカーンコーン

七時間目の授業の終わり告げるチャイムが鳴り響くと当時に、室長の号令がクラスに広がる

「きりーつれーい」


「ありがとうございました」



ありがとうございました、と、言っているのはだいたいいつもと同じ人
起立せず、机にうつ伏せて寝ているひと、起立するだけで何も言わないひと

いったい何人の生徒が退屈なおじさん先生の授業に感謝しているというのだろうか、とふと疑問に思う今日のこの頃



「おはよ、レナ。んーー、つかれたーー!!」



背伸びをしながらそう言う、私の隣の席のアキトくん


「何がつかれたーよ。ずっと寝てたくせによく言うね」


ずっと寝てた
そう、ず~とっ

授業中、先生に、アキトくんを起こせって私に言ってきたから私はアキトくんの体を揺さぶってあげたのに...ちいっっっとも起きやしない


「結構疲れるんだぞ、この態勢で寝るの」


あーせなかいてぇーって背中をさすりながらあくびをする


じゃあ、寝なきゃいいでしょ?



そう思いながらも私は口に出さない

面倒だから

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