その夜は、星が綺麗だった
「こんばんは」



オジサン達に囲まれていた私に声をかけてきた男の子



「こんばんは」

私の黒い瞳を少しでも光らせて誰か知らない男の子に笑顔を向ける




「おや、これはこれは澤田さん」




1人のオジサンが言う



澤田さん


私より年は上に見える




「海崎さんと2人でお話したいのですがよろしいでしょうか?」



オジサンの言葉を無視し、私に問いかける


2人で

この言葉があたまに残る





「澤田さん、海崎さんは私たちと話してるのですが」


オジサンは随分年下の男の子に無視されて、少し怒っている



「ルイ、どうかしたか」




男の子の名前はルイというらしい



「こ、これは、澤田社長」


「うちの息子がどうかしましたか?」



オジサン達は顔をひきつる


この人はオジサン達より立場が上なんだ



「い、いえ、挨拶していただけですので。では、私はこれで」

「私も」

「し、失礼します、澤田社長」



私にむらがっていたオジサン達はいなくなった



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