その夜は、星が綺麗だった
誰もいないテラス



全体がガラス張りになっていて、外の景色が見える





「キレイ…」



上を見ると、空満面に輝く星と

美しい光を放つ月






「良かった、少し戻った」




戻った?


「何がでしょうか?」



疑問に思って尋ねる




「いえ、ただ、あの中にいたキミは、真っ黒に染っていたから。キミの瞳がね」




よくわかったね


じゃあ、もう少し早く私を連れ出して欲しかったよ




そう思いながらも

「そうだったんですね。ありがとうございます」


と言う





「オレに敬語使わなくていいし、その、なんて言うのかな、仮面も外してもらって構わないよ」



ニコッと


何もかも見透かす瞳で私を見る





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