[完]君からの愛を
「泣きたいなら泣きなよ?我慢してると……壊れるから」
最後だけなぜか声が低く感じた。
唐突に両目から溢れ出すしずく。
「……っ」
止めようとしても止まらなくて、拭っても拭っても溢れてく
「なんでも言いなよ。俺たちの秘密だから」
頭をポンポンしながらそう言う。
「…っ、本当は辛くて。悲しくて……っう」
思い出すだけで辛い。思い出そうとしなくても、蘇るあの放課後のシーン。
『俺は好きじゃない。』
そう言った椎名くんの冷たい声、冷たい目。
本当は、今も大好きで仕方なくて、我慢してた。
なのにどうしてこの人はこんなにも、私のことを知ってるんだろう…?
________泣いてたから気づくはずがなかった。この私たちの光景を見てるひとつの視線と、それを敵に威嚇するように睨む柊仁くんがいたなんて。