[完]君からの愛を
「美結」
「大丈夫?」
男子3人、女子2人。それぞれの時間にした。
いつまでも片想いをやめられないのを、美結は気づいている。
「前よりも確実に好きになってる気がするの」
あの日から、もうやめようって思うのに好きって気持ちは大きくなるばかり。
「莉果…好きなら好きでいていいんじゃないかなって思うよ私は」
「椎名くん、女の子が嫌いな気がするの」
何となく見てたらわかる。1年生の時も私とは最初話してたけど…他の女の子と話さない。
それどころか、女の子が近づくと嫌そうな顔をしてるから…
美結の顔を見ると、歪んでいた。
「美結?」
「あ、うん…ごめん」
―――知らなかった。椎名くんが抱えているもの。そして、本当の心の中を。