[完]君からの愛を
「っはぁ、はぁ、し、椎名くんっ!!」
手を引かれ、歩くのが早い椎名くんに5分くらい歩いた。
そこで、私は両手で掴んで立ち止まった。
「どうしてっ」
「…もうほかのやつのとこ行くんだ?」
え?
訳が分からず、自分の顔が険しくなるのがわかる。
「あんなに俺のこと好きって言ってて、もう他の男なんだ?」
不機嫌というより、何かを軽蔑するような冷たい目をしていた。
「……れ…」
「あんなにいっぱい私のこと振っておいて!そんなの私の勝手じゃんか!!!」
初めてだった。
こんなに叫んだのも、
こんなに、涙が勝手に溢れたのも。
もう、涙なんてこらえる余裕はなかった____