[完]君からの愛を
【莉果side】


「…俺は汚いんだ」



全てを話した椎名くんは、自傷気味に苦笑いをした。



「…っ、汚くなんかっ……っごめ、泣いていいのはっ、う…」



泣いていいのは、私じゃないのに。



そう言いかけて嗚咽した私を、椎名くんは、そっと私を抱き寄せた。



「いいんだ。俺の代わりに泣いてくれて…ありがとう。」



どんなに辛かったんだろう?


大好きなお母さんに酷いことをされ、信じていたお父さんにまで捨てられて。


挙句の果てに、仲良くしていた友達の彼女にはめられて、友達さえ失って。



泣きたくても泣けなかった日々は、どれだけあった?

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