[完]君からの愛を


「ど、どういう……」


「柊仁、ずっと入院してたんだって」


そう言ったのは蒼汰くん。


美結は、優しく私の手を、冷たくなった私の手を握ってくれた。



「…な、なんで柊仁くんが?」



「柊仁さ、本当はずっと、ガンだったらしいんだ」



そう言ったのは、悠哉くん。



ガンって……いつから?



思い出しても、想像ができない。


だっていつも、柊仁くんは笑って……本当にずっと笑っていた?悲しい顔だったりしていた時もあったんじゃない?私。



私は、何を忘れてる?



初めて会った時……柊仁くんは。



『清水莉果ちゃん』



私にはじめましてとも言わなかった。


私たち、本当は知り合いだったの_________?
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