[完]君からの愛を
後ろから、私を呼ぶ声が聞こえたけれど、私は止まることなく走り続けた。
「お母さんっ!」
「え、莉果?」
「わ、私っ…教えて欲しいのっ」
「何を?てか、学校は?」
「ご、後藤、柊仁くんって、知ってる?」
その名前を言うと、お母さんは何かを考えたあと
「もしかして…柊仁って、柊(ヒイラギ)に仁(ジン)って書く?」
全力で私は頷いた。
「もしかして…っ!」
そして、お母さんは奥に走っていった。
私は玄関のその場に座り込んだ。
つ、疲れた……