[完]君からの愛を
家を出ると、そこには椎名くんの姿があった。
「…よかった」
安心したように、額に汗を滲ませて、笑った。
「…椎名くん?」
「家に帰ってなかったらどうしようかって迷ったけど、きっといるって思ったんだ」
「っありがとうっ…」
そっと、椎名くんの頬に手を添えた。
「…っつ!!り、莉果っ!?」
顔を赤くして、椎名くんは戸惑っていた。
前ならこんなこと出来なくて、今は私の目をちゃんと見て、照れた顔を見せてくれる椎名くんがいる。
ずっと叶わないって思っていたこの恋。
「椎名くん。柊仁くんの病院に行こう」
2人はまだ仲のいい友達に戻れていない。
私が柊仁くんを思い出したことを、伝えられていない。