[完]君からの愛を
「莉果、よく聞いて?」
泣き腫らした私の目を、椎名くんは屈んでしっかり見て話した。
「柊仁はね?きっと、誰より莉果の幸せに願ってた」
「…」
「柊仁…言ってたよ、毎日。“莉果ちゃんのこと泣かせるならさ、まじで諦めなよ?俺貰うから。”って、真顔でね。」
全然知らなかった。
「それがウザかったけど、でも、柊仁が真剣に話すのを見てて、しかもカマかけられて、このままじゃ柊仁にも失礼だなって思った」
私たちが…椎名くんが私に気持ちを伝えてくれたのは、柊仁くんの後押しがあったからなんだね。
「だから、莉果。柊仁は、莉果の幸せな笑顔を見たいんだってことなんだよ」
私は、これまでにないくらい泣いた。
そして、その涙を最後に、笑おうと決めた。