恋の神様に受験合格祈願をしたら?
番外編3 心臓が止まりそう

【Side:日向にこ】

 無事に高校1年生2日目を迎えたと思ったら、生徒会長からの誘いと菅野さんからの頼みで、生徒会のお手伝いをすることに……。
 そしてなぜか、ハルちゃんやリカまでお手伝いに加わり……。

 放課後。
 菅野さんに教室まで迎えに来てもらい、初めての生徒会活動が始まった。
 まずは、1年生歓迎会の反省会を視聴覚室の後ろで見学することに。
「ちょっと、ニコ。いい加減にしなさいって」
 ハルちゃんがコソコソと私の腕を突っついてきた。
「そうだよ? まあ、アンタだけじゃないから今はいいけど、そんなにポヤポヤしてて、生徒会の手伝いなんて務まるの?」
 リカちゃんが呆れてくる。
 えっ?
 どうしたの2人とも。
 私、普通に会議を聞いてるだけだよ?
 瞼をパチパチさせた私に、2人がこっそりと溜め息をついた。
「ダメだこの子、自覚なさすぎ」
 リカちゃんがハルちゃんに、
「こんなに目をハートにさせて、ウルウルしながら眺めてんのに、なぜ気づかないのか不思議だわ。普通、自分のことでも気づくよね」
 ハルちゃんがリカちゃんへコソコソ話しかける。
 間にいる私は落ち着かない。
 2人とも、前を向かないと叱られるよ。
 ほらっ、2人とも菅野さんが見てる!
 私はオタオタしながら菅野さんにペコリと頭をさげた。
 すると、菅野さんがクスッて笑ったんだ。
 イケメンのクスッは『カッコイイ』プラス『可愛い』で、胸がキュンとしてしまう。
 ああ、眼福。
 王子様とみんなに言われる容姿に加え、性格も絵本の王子様みたいに優しい菅野さん。
 こんな人と毎日放課後に会えるなんて、人生の運という運を本当に使い果たしちゃったよ。
 毎日こんな素敵な人を眺められるなんて、幸せすぎて死んじゃいそうだ。
 こんなに素敵なんだもん。
 毎日モテモテで、彼女の1人や2人はいるんだろうなあ。
 菅野さんの彼女、どんな人なんだろう。
 
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