恋の神様に受験合格祈願をしたら?
ニコちゃんと約1か月ぶりに話すことができた火曜日の朝。
リューイチの機転で、ニコちゃんを生徒会に迎えようと話が進んでいるときだった。
「ニコが行くなら私も行きます」
ショートカットで、細身だからこそ胸のふくらみが強調される谷地ちゃんが、鋭く俺たちを睨んだ。
「今のニコの『はい』は、絶対に『引き受けます』の『はい』じゃないと思うんですけど」
おっとりした外見の可愛い系な見崎ちゃんが、好戦的な作り笑顔を俺たちに向けた。
「アタシもいいですよね。ニコがいる間だけ、お手伝いします」
相手は先輩で、しかも生徒会メンバーだ。
普通なら物怖じするところを、2人は正々堂々と対峙してきた。
それだけで、2人がどれだけ修羅場を経験してきたか、ニコちゃんを大切にしてきたかが伝わってきた。
2人に挟まれたニコちゃんは、俺に手を掴まれたまま狼狽えると、「リカちゃんは部活に入らないの? ハルちゃんはバイトしたいって言ってたよね」と交互に見やった。
「中学でも散々言ったじゃん。ここの部活推薦蹴ったって。中学は全員強制部活だったから耐えただけ。あんな思いするなら、二度と部活しないって決めてんの」
谷地ちゃんが、なんでもなさそうに笑って答えると、
「バイトはいつでもできるでしょう? もう少しお金があったら、いつも買うクレープにもう1つトッピングをのせてもいいかなって思ってたくらいだし」
見崎ちゃんは、ニコちゃんを安心させるように笑みを柔らかくした。
「任せて。日向さんが生徒会をイヤになった時点で、3人とも生徒会に来なくていい。私が約束する」
ニコちゃんだけでなく、このやりとりで友人2人も気に入ったらしい仁美ちゃんが、3人のほうへと移動してしまった。
谷地ちゃんと見崎ちゃんは、言い切った仁美ちゃんを気に入ったようで、俺やリューイチたちを無視して、仁美ちゃんだけに「お願いします」と頭を下げた。
仁美ちゃんも丁寧に頭を上げ返し……。
思いだすと、俺たちとあの2人って、出会いが最悪なんだよね。
未だにあの2人、俺とリューイチにはよそよそしいし。
リューイチの機転で、ニコちゃんを生徒会に迎えようと話が進んでいるときだった。
「ニコが行くなら私も行きます」
ショートカットで、細身だからこそ胸のふくらみが強調される谷地ちゃんが、鋭く俺たちを睨んだ。
「今のニコの『はい』は、絶対に『引き受けます』の『はい』じゃないと思うんですけど」
おっとりした外見の可愛い系な見崎ちゃんが、好戦的な作り笑顔を俺たちに向けた。
「アタシもいいですよね。ニコがいる間だけ、お手伝いします」
相手は先輩で、しかも生徒会メンバーだ。
普通なら物怖じするところを、2人は正々堂々と対峙してきた。
それだけで、2人がどれだけ修羅場を経験してきたか、ニコちゃんを大切にしてきたかが伝わってきた。
2人に挟まれたニコちゃんは、俺に手を掴まれたまま狼狽えると、「リカちゃんは部活に入らないの? ハルちゃんはバイトしたいって言ってたよね」と交互に見やった。
「中学でも散々言ったじゃん。ここの部活推薦蹴ったって。中学は全員強制部活だったから耐えただけ。あんな思いするなら、二度と部活しないって決めてんの」
谷地ちゃんが、なんでもなさそうに笑って答えると、
「バイトはいつでもできるでしょう? もう少しお金があったら、いつも買うクレープにもう1つトッピングをのせてもいいかなって思ってたくらいだし」
見崎ちゃんは、ニコちゃんを安心させるように笑みを柔らかくした。
「任せて。日向さんが生徒会をイヤになった時点で、3人とも生徒会に来なくていい。私が約束する」
ニコちゃんだけでなく、このやりとりで友人2人も気に入ったらしい仁美ちゃんが、3人のほうへと移動してしまった。
谷地ちゃんと見崎ちゃんは、言い切った仁美ちゃんを気に入ったようで、俺やリューイチたちを無視して、仁美ちゃんだけに「お願いします」と頭を下げた。
仁美ちゃんも丁寧に頭を上げ返し……。
思いだすと、俺たちとあの2人って、出会いが最悪なんだよね。
未だにあの2人、俺とリューイチにはよそよそしいし。