恋の神様に受験合格祈願をしたら?
4章 人を好きになるのはいけないことですか?
【side:菅野大志】
スポーツテストの合間の昼休み。
俺たち生徒会メンバーは、中庭に集まっていた。
レディーファーストは当然だから、女の子4人は1つのベンチにくっついて座り、俺たち男子はコンクリートに直接腰を下ろしていた。
気まずい空気が流れる。
「お腹空いちゃった。今日、お兄ちゃんたちのお弁当を詰めるだけでオカズがなくなって、仕方なく母さんがチャーハンを作ってくれたんだけど、酷いの! 本当にチャーハンだけ。お兄ちゃんたちなら大喜びだけど、私、女の子ですよ。こんな弁当を持ってきてる女の子、絶対私だけだって。本当に恥ずかしい!」
谷地ちゃんが弁当の包みを開いた。
デカい弁当だと思っていたら、特大タッパーが現れた。
ケイが「おおっ!」と目を輝かせた。
「アタシはオムライス」
見崎ちゃんが、谷地ちゃんに合わせて明るい声をだした。
けど、無理をしているのはバレバレだ。
親友2人に挟まれたニコちゃんは、黙って俯き続けていた。弁当を開こうとせずに両手を握っている。
ニコちゃんのことだから、スポーツテストの途中で性格ブスたちに絡まれた原因は、すべて自分にあると考えてんじゃないかな?
小さなニコちゃんが、ますます体を小さくする姿は、見ていて胸が痛くなる。
今、俺を占めるのはニコちゃんたちを護るために大したことができなかった自分への苛立ちと、勝手な理由でニコちゃんを苦しめた性格ブスたちへの怒りだった。
まだ4月だというのに、日差しが少し痛い。
けど、風は冷たい。
護りたい子を護り切れなかった身には、風の冷たさが天からの責めに感じる。
「アンタたち、いつまで黙ってるわけ? こんなに女の子に気を遣わせて、申し訳ないと思わないの? 本当に信じられない。こうなったら、言いたいこと言わせてもらうわよ。私が外でハンドボール投げしてる間、何問題こじらせてんのよ!」
仁美ちゃんの雷が、俺たち男子限定で落ちた。
俺たち生徒会メンバーは、中庭に集まっていた。
レディーファーストは当然だから、女の子4人は1つのベンチにくっついて座り、俺たち男子はコンクリートに直接腰を下ろしていた。
気まずい空気が流れる。
「お腹空いちゃった。今日、お兄ちゃんたちのお弁当を詰めるだけでオカズがなくなって、仕方なく母さんがチャーハンを作ってくれたんだけど、酷いの! 本当にチャーハンだけ。お兄ちゃんたちなら大喜びだけど、私、女の子ですよ。こんな弁当を持ってきてる女の子、絶対私だけだって。本当に恥ずかしい!」
谷地ちゃんが弁当の包みを開いた。
デカい弁当だと思っていたら、特大タッパーが現れた。
ケイが「おおっ!」と目を輝かせた。
「アタシはオムライス」
見崎ちゃんが、谷地ちゃんに合わせて明るい声をだした。
けど、無理をしているのはバレバレだ。
親友2人に挟まれたニコちゃんは、黙って俯き続けていた。弁当を開こうとせずに両手を握っている。
ニコちゃんのことだから、スポーツテストの途中で性格ブスたちに絡まれた原因は、すべて自分にあると考えてんじゃないかな?
小さなニコちゃんが、ますます体を小さくする姿は、見ていて胸が痛くなる。
今、俺を占めるのはニコちゃんたちを護るために大したことができなかった自分への苛立ちと、勝手な理由でニコちゃんを苦しめた性格ブスたちへの怒りだった。
まだ4月だというのに、日差しが少し痛い。
けど、風は冷たい。
護りたい子を護り切れなかった身には、風の冷たさが天からの責めに感じる。
「アンタたち、いつまで黙ってるわけ? こんなに女の子に気を遣わせて、申し訳ないと思わないの? 本当に信じられない。こうなったら、言いたいこと言わせてもらうわよ。私が外でハンドボール投げしてる間、何問題こじらせてんのよ!」
仁美ちゃんの雷が、俺たち男子限定で落ちた。