恋の神様に受験合格祈願をしたら?
【side:菅野大志】
予算会の始まりは静かだった。
筆ペンと書道の段持ちであるヒロが、ホワイトボードの端にスタンバイ。
生徒会長であるリョーイチは進行とまとめ役として、俺は全般の補佐係として、マモルは進行補佐として、教壇にしては低くて長いテーブルに設置されたパイプイスに座っていた。
仁美ちゃんとケイは、最前列の端だ。
ケイは書記としてのパソコン入力と録画担当。
仁美ちゃんはケイの補佐だ。
委員会の予算は生徒会に権限がないので、紹介だけで終わった。
去年の暮れ。生徒会で全校生徒から署名をもらい、今年度からはベルマーク委員会が加わった。
そのため、ベルマーク委員会の紹介のとき、「ただベルマークを集めるだけだろ?」「小学生のときに集めさせられたな」「義務教育じゃないと使えないんだと思ってた」なんて声がちらほら聞こえた。
実は、俺もベルマークは義務教育までと思っていた。
ベルマークを集めようと言い出したのは、リューイチとマモルだった。
リューイチが言うには、「貧乏性って言われたら最後だけど、塵も積もれば山だし、無料の金券を捨てるのは勿体ないだろ? 公立は私立と違って贅沢出来ないんだからさ。それに、僅かでも企業の金を未成年の俺たちが動かせるって凄くない? 集めたら集めた分、援助してもらえるんだぞ?」だそうだ。
そして、生徒会から全サークルと部活への予算案提示が始まった。
「まずは、各部活やサークルの活動報告書を見ながら、昨年の活動を確認します。次に、生徒会から予算案を提示します。すべての提示が終わったら、小休憩を挟み、冊子の掲載順で審議していきます。各自、所属外のサークルや部活への意見はそのときにお願いします」
リューイチが流れを伝えた。
続いて、マモルが書道部の活動報告を読みあげた。
リューイチが「間違いや追加があれば、今お願いします」と確かめた。
次に、マモルが予算案と、その案に至った経緯を淡々と説明していく。
ただそれだけのこと。
なのに、一部のヤツらが早くもルールを無視した。
筆ペンと書道の段持ちであるヒロが、ホワイトボードの端にスタンバイ。
生徒会長であるリョーイチは進行とまとめ役として、俺は全般の補佐係として、マモルは進行補佐として、教壇にしては低くて長いテーブルに設置されたパイプイスに座っていた。
仁美ちゃんとケイは、最前列の端だ。
ケイは書記としてのパソコン入力と録画担当。
仁美ちゃんはケイの補佐だ。
委員会の予算は生徒会に権限がないので、紹介だけで終わった。
去年の暮れ。生徒会で全校生徒から署名をもらい、今年度からはベルマーク委員会が加わった。
そのため、ベルマーク委員会の紹介のとき、「ただベルマークを集めるだけだろ?」「小学生のときに集めさせられたな」「義務教育じゃないと使えないんだと思ってた」なんて声がちらほら聞こえた。
実は、俺もベルマークは義務教育までと思っていた。
ベルマークを集めようと言い出したのは、リューイチとマモルだった。
リューイチが言うには、「貧乏性って言われたら最後だけど、塵も積もれば山だし、無料の金券を捨てるのは勿体ないだろ? 公立は私立と違って贅沢出来ないんだからさ。それに、僅かでも企業の金を未成年の俺たちが動かせるって凄くない? 集めたら集めた分、援助してもらえるんだぞ?」だそうだ。
そして、生徒会から全サークルと部活への予算案提示が始まった。
「まずは、各部活やサークルの活動報告書を見ながら、昨年の活動を確認します。次に、生徒会から予算案を提示します。すべての提示が終わったら、小休憩を挟み、冊子の掲載順で審議していきます。各自、所属外のサークルや部活への意見はそのときにお願いします」
リューイチが流れを伝えた。
続いて、マモルが書道部の活動報告を読みあげた。
リューイチが「間違いや追加があれば、今お願いします」と確かめた。
次に、マモルが予算案と、その案に至った経緯を淡々と説明していく。
ただそれだけのこと。
なのに、一部のヤツらが早くもルールを無視した。