恋の神様に受験合格祈願をしたら?
「テレビのニュースで見る国会の野次を思いだしました」
 ニコちゃんの例えに、
「品のないとこがね」
 ヒロがサラリと皮肉った。
「そもそも品は買えないし」
 マモルも加わる。
「ただ罵倒したい、野次りたいって人が数人いたけど、どうする? その筆頭には、私もこれまでちょこちょこと小さな嫌味を言われてて、結構腹が立ってるんだけど」
 仁美ちゃんまで加わるか。
 まあ、そうだよな。
 生徒会全員と肉体関係持ってるみたいなことを言われたり、だったら自分とも関係を持とうと笑いながら誘われたら、腹が立つよな。
「再開するとき、関係ない野次は飛ばさないようお願いしてから始めるか」
 リューイチが溜め息ついた。
 それでどうにかなるといいけどな。
「どこにでもなんにでも絡んでくる親父みたいなヤツには要注意だぞ。発見したら近づくな。近づいてきたら即逃げるだ。いいな?」
 教師口調のケイに、
「は~い」
 谷地ちゃんと、
「わかりました」
 見崎ちゃんの声がした。
 ニコちゃんの声はしないけど、人の意見を無視する子じゃないから頷いたんだろう。
 全然顔の熱が引かず、ニコちゃんの可愛さに心臓をバクバクさせる俺は、顔を隠す手を外せないまま背中を丸めた。
 ニコちゃんが可愛すぎてつらい。
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