永遠に愛を貴方に捧げて


髪とメイクもしてもらい、開始時間まで部屋で待っているとお兄様がやって来た。

「もう時間ですか?」
「いや。…ただ鼠が入った」
「鼠…」


鼠というのは招かれざる客が来ているということだ。

本来なら招待状にある特別な印がなければ入れないが偶に上手くすり抜けてしまうことがある。

「それは間違いないのですか?」
「残念ながら、城で怪しい動きをしている男を騎士が見つけて招待状を見せるように行ったところ慌てて逃げたようだ。しかも、その男は誰かと連絡を取っていたらしいから二人以上いる」

「まぁ…」

困ったことだ。
ここは私たちの城。捕まえるのは簡単だが目的が何なのか。

「とりあえず捕まえたらこっちに連絡は来るようにしている。ただパーティーの最中は俺は離れられない。だから、リリィその時は頼んだ」

本当は頼みたくないのだろう。
お兄様の表情はとても複雑そうだ。

「勿論です」

けれど私だって出来るわ。
絶対に目的を言わせてみせる。

リリィの瞳が紅く輝いた。

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