永遠に愛を貴方に捧げて
「ご、ごきげんよう。アリア」
嫌味な笑顔をわたしに向けているアリア。
挨拶を返しながら思わず一歩後ろに下がる。
「あら、まぁ。ドレスがとても地味でいらして…私の真っ赤なドレスと比べると見劣りしますわね」
早速アリアの自慢が始まる。
「そうね、アリアに似合ってると思うわ…」
「当たり前ですわ。私に似合わないものなどないですもの」
「…そうでしたわ」
何で私がアリアのご機嫌を取らなければならないの‥。
心の中で溜め息をつく。
「…それより、ウィルさまはどちらに?」
そう言ったアリアは笑みを浮かべながらも視線は鋭い。
「ウィルは本日は警備としてですので、パーティーには参加されませんわ」
「それは残念ね」
残念と言いながら、口角が上がっている。
まるでその答えがわかっていたかのようだ。
絶対に機嫌を損ねると思ったけれど意外だわ。
「残念には見えませんね」
どうして余裕な表情なのか探ってみる。
「だって今夜、私の家にウィルさまが来てくれるの」
「え?」
ウィルがクロード家に…?
「お父様にウィルさまが来るように行って貰ったのよ。…これでウィルさまは私のもの」
また公爵家の力を使ったのね。
相変わらず狡いやり方をするものだ。