永遠に愛を貴方に捧げて
「そう…でもウィルにその気がなければ結婚はしないんじゃないかしら?」
つい低い声が出る。
どうしてこんなにムキになってるのだろう。
自分のことなのにわからないと思いながら、アリアを見つめる。
「うふふっ。ウィルさまの家は私より下。なら、私の血はウィルさまにとっては喉から手が出るほど飲みたいはずだわ」
私たち、ヴァンパイアにとって血は何よりも生きていく上で大切なものだ。
しかもヴァンパイアの場合はヴァンパイアとしての力が強ければ強いほど美味しい。
ヴァンパイアとしての力が最も強い王族の次は公爵家、つまりアリアということになる。
身分イコールヴァンパイアの力の強さなのだ。
そして極上の味であればあるほど、それは中毒のようなもので吸血衝動にかられやすい。
さらに吸血行為は痛みじゃなく、快感をもたらす。そのため、そのまま男女の関係へとなることも多い。
「ウィルはそんな軽い男じゃないと思うけれど」
そんな簡単に誘惑されるような男ではない。
それに、この間の反応からしてアリアに好意があるようにも見えなかったわ。
「随分とウィルさまのことをわかってらしゃって。まるでウィルさまは自分のようだと言っているみたいだわ」
「なっ」
クスリと笑って言うアリア。