永遠に愛を貴方に捧げて
「違うのなら、口を出さないで下さいませ。貴女とウィルさまはただの姫と騎士の関係、それだけでしょう?」
「..えぇ。確かに私が口を挟むのはおかしいわね」
「私は相手が誰であろうと欲しいものは手に入れるわ。例え、お姫様であってもね...それでは失礼しますわ」
優雅に一礼をしてから去って行くアリア。
欲しいものは手に入れる。
その言葉は自分で手に入れない貴女には似合わないわ。
胸がざわつくのはずっと一緒にいたウィルがいなくなってしまうかもしれないから、少し寂しいだけよ。
リリィは軽く息を吐いてから、また笑顔で挨拶を交わしてく。
しばらくして、一通りの挨拶が終わり自由に動けるようになるとリリィは美味しそうな食べものを取りに行く。
ヴァンパイアにとって、食事はしなくてもいいが人間と同じようにお腹は空くので基本、三食食べる。
誰にも話しかけられないように端の方でレアな赤いお肉を頬張っていると、不意に肩をたたかれる。
「相変わらず驚かすのね、ウィル」
「できるだけ目立ちたくないので」
「ぜひとも町に出かけたときにもお願いしたいわ」
リリィがそう言うとウィルは少し苦笑いして、申し訳ありませんと言う。