永遠に愛を貴方に捧げて
「姫は姫です。だから何も考えないで、そのままでいて下さい。
「え…」
私の心を読んだかのような言葉。
ヴァンパイアとしての力が私の方が強いからウィルが私の心を読むことはできないのに、どうして?
「姫の考えることは顔を見ればすぐにわかります」
そう言ってウィルは優しく微笑んだ。
意地悪な笑みじゃない。
まるで私を愛しむような。
「私は貴方の考えていることはまったくわからないけれどね」
気のせいだと自分に言い聞かせて、赤くなった頬を誤魔化すように言う。
「そうですか?わかりやすいと言われますが」
「そう言った人はよほど貴方のことを見ているのよ」
「なら、姫もわかるように私だけを見ていてください」
「…なっ」
「冗談です」
「もうっ!」
またからかって!とウィルを睨もうとした瞬間、ふとウィルの雰囲気が変わる。
「ですが私の命を助けてくれた姫を私は死ぬまで守ると誓っています。私はずっと姫だけを見ています」
「…ありがとう」
真剣な眼差しで言うウィル。
その言葉の重みに胸に温かさと同時に痛みを感じる。
あなたはきっと真実を知ってしまったら、私を軽蔑し二度とその微笑みを見せてくれない。
だからその時まではーー。