永遠に愛を貴方に捧げて
4



ウィルが帰り、夕食も自室で終えてそろそろ寝ようかと考えていたリリィのもとに今度はルークが訪れた。


「遅い時間にすまないな」
「どうでした?人間には会いましたか?」
「私と父が対応したよ。人間の王の印が入っている書簡を持ってこられたら受け取らないわけにもいかないからね」
「それで内容は…?」
「ヴァンパイアと人間で平和条約を結ばないかという
「え?」


意外な内容にリリィは拍子抜けした。
てっきり宣戦布告ぐらいの内容だと思ってたのにまさかの平和条約なんて‥。

「けれど…」

そう言って言葉を切ったお兄様の表情は固かった。


「魔術師を一人寄越す、その代わりに強い力を持つヴァンパイアのが欲しいと」

あぁ、やっぱり。
結局ヴァンパイアの力がほしいだけ。

強い力を持つなら王族、しかも直系の。
そうしたら必然と残っているのはリリィだけになる。

リリィのことが欲しいと言っているようなものだ。
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